2009年9月28日月曜日

7年ぶりに!!

こんばんは
今夜は家路につく途中、ふわりと好い香りに誘われました。何気なくその方向を見てみますと・・・。月下美人です!!えーっっっ!!と、まずは驚きと、そしてその花が咲いている瞬間に、偶然にも出会えた喜びが心にじんわり。。。花が咲いているところを目撃できたのは7年振り、しかも4輪も美しく咲いておりました。
月下美人はサボテン科の植物で、その花は一夜に数時間しか咲かない事で有名です。こんな風に、咲いている姿を偶然にも目にすることができるのは、本当にラッキーです。サボテン科の植物は、可愛い花をつけるイメージですが、月下美人は純白の大輪の花が美人、名を体で表しています。花言葉の一つに“はかない美”とありますが、花の命が短いことを思えば確かに儚く、美人薄命なのではありますが、けれども私はこの花姿にグラマラスな艶っぽさを感じ、連想されるはずの寂寥感を一蹴している様に感じます。数時間後にしぼんでしまう寂しさよりも、花姿は強烈に印象に残り、美しく咲いている瞬間に出会えた鮮やかな高揚感の方が圧倒的に勝ります。と、思っておりましたら、ぽつりぽつりと雨が降って来ました。さらに花の命が短くなったら・・・。それはやっぱり儚すぎます。。。

2009年9月26日土曜日

こんばんは
気が付けば秋の彼岸も今日で明け、いよいよ暑さも収まり夜が長くなる雰囲気です。そしてお彼岸の間、大盛況でした近所の和菓子屋さんも少し落ち着きを取り戻している様子です。この一週間ほど、ずらりと店頭にお萩が並んでおりましたが、やはりお彼岸にはお萩を供えるご家庭が多いのでしょうね。春のお彼岸には牡丹餅と呼ばれ、秋のお彼岸にはお萩と呼ばれるこの同一の食べ物、春の彼岸は牡丹の咲く季節で、小豆餡の様子を牡丹の花に見立てたことから、そして秋の彼岸は萩の咲く季節で、小豆餡の様子を萩の花に見立てたことから、この様に呼ばれています。萩の花は秋の七草の代表格といっても過言ではありませんが、実際は草ではなくマメ科の潅木です。外国ではあまりピックアップされない花ですが、日本では万葉集においてはもっとも多く詠まれた花ですし、屏風や箪笥などの絵のモチーフとしても登場します。またお寺の境内を彩り、名所と紹介される場合もあります。小さな蝶々の様な可愛らしい花姿と、風にしなる繊細な風情が、日本人の感性に響くのでしょうか。萩はまさに日本の秋を代表する花、ですね。ところで、お盆の頃に咲き仏前に供えられるミソハギはミソハギ科の多年草で、ハギと名前はついていますが、秋の七草の萩ではないんですよ。

2009年9月17日木曜日

ススキ

こんばんは
近所の空き地のススキが、私の背の高さよりもずっと高くのびのびと、そしてすくすくと生長しています。風に揺れる様は、定番ながら秋のワンショットです。
お月見といえばススキですし、ススキと言えば秋の七草の一つ。山上憶良が詠んだ秋の七草、「萩の花尾花葛花なでしこが花 をみなへしまた藤袴朝顔が花」は有名ですが、"尾花”がススキにあたります。青葉の時はススキ、花穂の時はオバナ、枯れた時はカヤなどと呼ばれますね。万葉集ではススキの名で17首、オバナの名で19首、カヤの名で10首、詠まれているそうです。昔から豊富に自生し、時には観賞し、時には生活の中で利用してきたことが窺えます。そして、先日のレッスンで生徒さんにお尋ねしましたところ、この位の時期と言いますか、お月見の時と言いますか、やはり秋にはススキを飾りたいとのお答えを頂きました。中秋の名月に飾るという習慣と、日本人のDNAに刷り込まれた秋の風情があるからだと感じます。四季はいいですね。感性に豊かな彩りを与えてくれます。
ということで、昨日はススキを購入しアレンジに使ってみた訳なのですが、併せて先日話題にしましたチューベローズも購入することができました。書いてから、アレンジに使いたいな~と思っていましたので、ラッキ♪ なタイミングなのでありました。今日もささやかな喜び(笑)・・・。

2009年9月14日月曜日

ユーカリ

こんばんは
今夜も虫の音が、とても秋の風情です。実物の虫に触るのは好きではありませんが、聴覚を通してリラックス効果を感じます。
週末のレッスンにご参加頂きました皆様には、使用花材にありましたユーカリの香りから、森林浴的な効果を受け取られた様子です。嗅覚を通してのリラックス効果、本当に深呼吸をしたくなる様な爽やかな香りですが、ユーカリは実際にエアーフレッシュナーとして使用した場合、空気中のブドウ球菌の70%を殺菌、また香気を吸い込むと風邪などにも効果的で、並外れた抗菌力を携えています。もちろん香りだけでなく、視覚面での魅力もあります。ユーカリ類は800種以上あると言われ、生花店でも様々なタイプのユーカリを仕入れています。シルバーがかった色合い、ハート型のもの、しなる枝ぶり、細かくプリプリした感じのものなど。アレンジメントではポイントにしてよし、ボリュームの調整役にしてよし、陰影の演出係にしてよし、と優れもの♪ です。 しかし、大量に捌くとしばらく指に香りがついてとれません。。どんなに殺菌効果があるといわれ、リラックス効果を感じるといっても、指についた香りにはどうも癒しを感じない・・・。コアラの匂いが気になるところです。。

2009年9月10日木曜日

こだわり

こんばんは
花屋さんでは実物の仕入れが多くなったこの頃ですが、先日、紅葉染めのパニカムを見つけました。自然に紅葉した枝物や草などが市場に出回るその前に、さらに季節の先取りといった感じで染めの植物が店先に並び始めています。そんな中、この紅葉染めのパニカムを仕入れているお店では、秋の雰囲気を全面に出したかのような品揃えだったのですが、聞けばワレモコウはこの日、初の仕入れだとか。もう少し前から他店では仕入れているのに何故?と思っておりましたら、北海道産のワレモコウを待っていたとのこと。同じ植物でも、生産地や作り手が違うと表情が違ってくる訳で、好みもあれば、こだわりもあります。バイヤーのこだわりと需要とのバランス、仕入れられて来た花はそこを通過して店頭に並んでいる訳です。
ところでワレモコウには色々な漢字があてられています。「吾亦紅」「吾木香」「割木瓜」・・・。名前は未だ篩いにかけられることなく、その由来も諸説を残しておりますが、これらの名前はワレモコウのどこをピックアップしたかによって、の結果ですよね。一つの物を見て、人はこんなにもこだわり所が違うということです。そしてそんなこだわりも、ほとんどの花屋で“ワレモコウ”と表記され、先ずは一件落着なのです。

2009年9月9日水曜日

チューベローズ

こんばんは
9月中旬のお月見を楽しみにしている私は、今頃からわくわくと夜空を見上げたりしています♪夜に強く香る花に、鉄砲ユリやチューべローズなどがありますが、特に月夜の晩に咲いたチューベローズは濃厚に香るといわれ“月下香”の別名を持っています。十五夜に飾れたら!と思いますが、切花としての出回りピークは通常8月いっぱいくらいでしょうか。。お庭や鉢で育てていらっしゃる方は、開花の時期ですよね?お月見は香りと共に楽しむことができますね。
メキシコ原産のこのチューベローズはヨーロッパで品種改良され、ヨーロッパでは香水の原料として、ハワイや熱帯アジアではレイや宗教的なシチュエーションで、そして日本では切花として利用されることが多い様です。日本で見かけるチューベローズは八重咲きのものが多く、花姿がかわいらしいですよね。自宅でアレンジする時は、ラインフラワーですが一輪一輪を見せる様な、マスでの使い方が私は好きです。活け込みで使う場合は、往々にしてドバっとグルーピングでしょうか。ラインで見せると、本数がひたすら欲しくなり・・・。意外と地味だよね、チューベローズ、と思っている訳ではない、と思います・・・。これもこの花の魅力です。そして、中秋の名月を迎える以前の月も、それはそれで魅力的です。

2009年9月7日月曜日

露華

こんばんは
夜風と虫の音が、秋の気配を感じさせるこの頃です。
二十四節季で言いますと、白露の候ですね。大気が冷えて露が結び始める時期です。露が出来やすいことと、秋の涼しさや冷ややかさを感じさせることから、“露”は秋の季語になっています。
文学的には儚さに例えられることも多い“露”という言葉ですが、“露”自体を美しく表現した言葉もありますよ。宝石に例えて“露珠”、そして花に見立てて“露華”。キラキラと光にきらめく、美しい露の様子が窺えます。日本には、“花”や花の名前を比喩として用いている言葉がたくさんありますよね!自然の情景を表すものや、人の様子を表現するものなど。(日本の伝統色にも、花の名前が由来の色名もたくさんありますね。)
花に例えられた奥ゆかしい言葉、そういった言葉との出会いも私が花との関わりの中で楽しんでいることの一つです。

2009年9月4日金曜日

リゾートの花

こんばんは
昨日お会いしたお友達から、素敵なお土産を頂きました♪ニューカレドニアに行ってらしたとのことで、甘く香る「Tiare」のソープです。乳白色のソープに小さく可愛らしいティアレ柄のパッケージ。使うのがもったいないお土産です。
ティアレの花はクチナシと同じガーデニア科で、プルメリアより一回り小さい一重咲きのお花です。ちょっと詳しく知りたくて、パソコンでカチカチと調べてみますと・・・。花弁は通常5~8枚、特に8枚のものは四葉のクローバー同様に、幸福を運んでくると言われているそうです。パッケージのティアレ、花弁が8枚!これはますます使えない・・・。しばらくは使わずに、香りを楽しませて頂きますね。
日本によくあるクチナシは中国原産の八重咲きで、日本でほとんど見かけることがないこのティアレは、オセアニアが原産。特にタヒチではレイや髪飾りに使用されたりしている様で、レイは魔よけや開運的な意味からスタートしたと聞いたことがありますが、現在は歓迎や祝福、愛情の表現といった意味合いで使われる事も多く、お花を媒体としての気持ちの表現の仕方は、人々の心にストン、と深く伝わるのだなーと改めて思います。それにしてもリゾートの香りがふんわりふんわり。。。バカンスのお裾分け、ありがとうございました!!

2009年9月3日木曜日

果物と花

こんばんは
今夜はちょっと素敵に護国寺にてディナーです。プリフィックススタイルでしたので、私はデザートにくるみとイチジクのタルトを頂きました♪イチジクは消化を促進してくれるタンパク質の分解酵素が含まれていますので、食後にいいかな~と思ったのですが、食後のタルトはヘビー級ですね!!いや、すごく美味しかったんですが・・・。
イチジクは漢字で無花果と書きますが、花のならない樹木というわけではありません。実の中に小さな花をつけるので、外からは見えないということでこの漢字が充てられています。原産地のアラビア南部では、紀元前3000年頃には栽培されていたとされています。古代エジプトの壁画や旧約聖書にも登場する果物ですが、静物画などにも花と共に描かれているのを見ることがあります。イチジクの他にも、桃やザクロなどの果物も花と共にモチーフとなって描かれている絵画がありますが、実際にはアレンジメントにこれらの果物をプラスするのは少々難しいかもしれません。組み合わせは素敵ですから、どうしても!という方はショートタイムで楽しむアレンジメントでしたら可能でしょうか。
では、実際にアレンジメントに果物をポイントとして加えたい場合、これからの時期でしたらかりん、栗、びわ、ひめりんごなどが現実的です。フラワーショップに食用ではなく花材として出回りますので、アレンジメントに可愛さと季節感をプラスしてくれること間違いなしです。私は通常、食用として果物を買う時は、色艶の他についつい大きい物を選びがちなのですが、アレンジで花材として買う時は、小さめの物を選ぶことが多々あります。果物自体に重量感がありますし、大きいと果物としてのインパクトがありすぎるからです。アレンジメントの中で可愛く見せるには、果物を果物としてではなく花材の一部と捉えバランス良く、が必要です。
って、十二分に食事を頂いてしまった今夜の私は、“バランス良く”から遠い場所に・・・。

2009年9月1日火曜日

ガーデニア

こんばんは
今日から9月です。お花も秋らしいものへと移り行くな~、と思いながら、やはり9月の初日は秋らしい花について書きたいなと思っていたところに、通りすがりのお花屋さんでギョギョっとする花に出会いました!ガーデニアです。通常6,7月に出回るお花ですが、間違いなくガーデニアです!!ということで、せっかく出会ったのですから、季節感を無視してタイトルはガーデニアに決定です。。
英名でガーデニア、和名でクチナシはアカネ科クチナシ属の常緑低木で、お花屋さんでは切花、もしくは鉢植えで見かけます。春は沈丁花、秋は金木犀が代表的な香りのよい花木だとすると、梅雨、もしくは初夏はガーデニアでしょうか。純白で肉厚な花と、甘くエキゾチックな香りが本当に魅力的です。中国ではジャスミンや水仙、桂花と並び天下の「七花」にされています。香りは一輪だけでも十分にお部屋に漂い、花は残念ながら数日でクリーム色へ変色してしまいますが、香りは最後まで残っています。私は香るものが好きなので、お部屋の香りもお香やアロマ、ルームフレグランスなど、どれも好きではありますが、季節限定、さらには一年で数日しかその香りを楽しめないこともある生花の香りはやはり特別だと思います。
9月の初めから初夏の香りの話題かよ~、と思った方、大丈夫です。花はもちろん夏の季語ですが、じつはガーデニアの実は秋の季語だったりします。ということで、そろそろ秋の気配です。